「宮瀬、お前左からのシュートもよくなったみたいだな」


いつもの通り基本練習を終えると、黒さんが私の近くに歩み寄ってきた。


「あ・・・ありがとうございます」


私は黒さんに向かってペコリと頭を下げた。


「ここ2週間。内野のキッツイ練習によく耐えてるなあ」


黒さんは白い歯を見せてカカカと笑った。


「どうだ、宮瀬。そろそろこの後の試合形式の練習に混ざってみないか?」


「え!?一緒に練習してもいいんですか?」


私は驚いて目を見開いた。


「なあ、内野いいだろ?」


黒さんが体育館の脇でストレッチをしている内野コーチに話しかけた。