内野コーチにディフェンスでつくのは初めて。

私は少し緊張しながら位置につく。


「いいか」


内野コーチがトリプルスレットをして構える。

私は内野コーチの目を見てキッと見つめる。


内野コーチの目線が右に・・・そして体制が低くなる。


「あ!」


内野コーチは向けた目線とは反対側の左をすり抜け、ゴールに向い、レイアップシュートを決めた。


「右にいくと思ったのに」


「だろ?」


内野コーチは勝ち誇ったような笑顔を向け、転がるボールを拾いに行く。


そして私に近づいた。


「問題。俺は何で駆け引きをしたでしょう」


「目です」


「正解!賢いじゃん」


内野コーチはパッと弾けるような笑顔を私に向ける。



ドキッ!



私の心臓が大きくジャンプした。