テンテンテン・・・


「しまったあああ!!」


転がるボールを見送りながら、私は頭を抱えてしゃがみこんだ。


「トラベリングだね、宮瀬」


内野コーチが私の肩をポンと叩く。


「それだけじゃないです・・・私、左からのシュートの仕方分からなかった」



そう。



昨日の練習の時も、これだけはうまくいかなかったんだ。

ランニングシュート一本も決まらなかったし・・・・・・。


「ッブッ!!そんなことってあるんだ!」


内野コーチがケタケタと笑う。


「仕方ないじゃないですか!体育だけなら、右からのシュートで十分だったし」


「おもっしれえ、ハハハッ!」


内野コーチはまだ笑っている。



あああ、悔しい!

せっかく勝ったと思ったのに!!


私はイライラする心を顔に丸出しにしながら、ボールを拾いに行った。