「運動神経抜群の心空だもん。身長だってあるし…私は、心空こそ女子バスケ部の救世主だと思うの。来年の総体予選こそ、ベスト4から抜け出したいの!全国いきたいの!お願い!」


友梨はそう言いながら、空になった巨大パフェの器をコチコチと指でならした。


「友梨…今日ほどあんたが小悪魔に見えた日はないよ。ハア…総体まででいいんだよね?」


「え!うそっ!?やったあ!!ありがとう心空!」


友梨は胸元でパチパチとちっちゃな拍手をして喜んだ。

まあ、遊びかと思ってやってみるか。

またパフェもおごってもらえるかもしれないしね。


そんな安易な考えで、私はバスケットボール部への入部を決めた。


高校2年の秋だった。