いよいよ内野コーチとの練習が始まった。


ランニングシュート、パス練習。

私は見よう見真似でみんなの練習についていく。


始めはぎこちなかった動きも、何回か繰り返していくうちに様になっていくのが分かる。

元々の運動神経の良さもあってか、余裕だった。


内野コーチをチラリと確認する。

内野コーチは顔色一つ変えず、練習を見つめ続ける。




昨日みたいにはいかないんだから。



ピッ!



「おし。そこまで。次は一対一」


内野コーチが笛を鳴らし、次の練習の指示を出す。


「宮瀬!」


みんなと一緒になって準備をしていた時、私は内野コーチに呼び出された。


「お前は外だ」


「え?」


内野コーチが指を指した先にあったのは、第1体育館と第2体育館の間の、外のスペースに設置された、バスケットリングだった。