「心空、蒼(そら)どこに行った?」



夕ご飯を作っていると、光明が揚げたてのコロッケをつまみながら、私に話しかけてきた。



「いつもの場所じゃないの?」



「いや、外ではバスケしてないぞ?」



「え…じゃあ、どこにいったんだろう?もう夕ご飯なのに」



私は手を水で洗って、タオルでふき取った。

そしてエプロンを外して、蒼を探すために外に出た。



「俺、向こう探すから、心空はあっち探してくれ」



私は光明と二手に別れて、蒼を探すことにした。



「蒼!蒼!」



蒼の名前を呼びながら、走る。


その時、



ダムダム……



公園に隣接しているバスケットコート。


そこで小さな蒼が必死でドリブルをして、練習をしている姿を見つけた。