内野コーチが車から降りてくる。


「お疲れ様です!」


友梨が内野コーチに挨拶をし、頭を下げた。

なんだか悔しい気がしたけど、私も一緒になって頭を下げた。


内野コーチがこちらに向かって歩いてくる。

私は内野コーチをジロリと見上げた。


「今日からよろしくお願いします」


今度は頭なんて下げない。

私は睨み付けたまま内野コーチに挨拶をした。


「上手くなるって言ったんだからな。本気でやれよ」


内野コーチはそれだけ言うと、スタスタと体育館の中に入っていった。


「あー!!腹立つ!!」


私はバンっと地面を足で叩いた。


「まあ、頑張れ!心空なら出来るって、私は信じてるよ」


友梨がウンウンと頷きながら、私の怒りを収めるかのように腰をポンポンと叩いた。