「あ、やっぱりここにいたんだ」
友梨が私の肩を抱いて、にっこり笑った。
「いきなりいなくなるんだもん。ここかなってすぐ分かったけどお」
愛都がブウっと頬を膨らました。
「ゴメン。みんな別れに浸ってたし、悪いなと思って」
「心空は、そういうの冷めてるからなあ」
友梨が私の言葉を聞いて、しょうがないなと言って笑った。
「別に冷めてるわけじゃないよ。ただ…なんだか実感なくて。今日で最後なんだよね?」
「うん…そうだね」
友梨はゴールを見上げて、フウと息を吐いた。
「ココちゃんはいつからチームの練習始まるのお?」
愛都がゴールの下に転がっていたボールを拾いあげ、指先で回しながら私に質問した。