「負けないっ!」
マイマイがスクリーンをして、6番に押し勝ってボールをキャッチした。
「舞さん!」
瑞穂がボールを呼んだけれど、相手の5番にコースを阻まれて、マイマイはパスを出せない。
「マイマイ、貸して!」
近くにいたノノが、マイマイからボールを受け取って、ドリブルで抜け出す。
残り時間は8秒。
瑞穂についていた5番が、ノノの元へ駆ける。
ノノはその隙を見逃さなかった。
「瑞穂!」
ノノは敵のディフェンスにもみくちゃにされながら、瑞穂に転がすようにパスを出した。
瑞穂は、それを走ってとると、フリースローラインより少し後ろにいた私を見た。
「心空さん!」
瑞穂の声をスタートにして、私はゴールに向かって駆けた。
私のすぐ横には8番が迫ってきていた。