その後のフットワークも私はなんなくこなした。


「心空、練習余裕そうだね」


外の水道で水を飲んでいると、友梨が私の肩をポンと叩いた。


「まあね。救世主だし、こんくらいはできないと」


「おー。言うね」


友梨は余裕そうに微笑む私を見て、ケラケラと笑った。



その時、


ブウン


一台の車が体育館脇に乗り込んできて止まった。


「あ、内野コーチ」


「来たか……」


私は首にかけていたタオルで、顔の水を拭うと、それをギュっと掴み身構えた。