もう、へまなんかしない。


ボールをキャッチした私は勢いを殺し、ふわりと飛びあがった。



パスッ……



着地して、後ろを振り向く。


審判は笛をくわえている。



「お願いっ……！！」



ブイサインが天に高く上がって、手首がくいっとさげられる。



「カウント！」



「ココちゃん、ナイッシュー！！最高！！！」



愛都の叫び声が聞こえた。

それと同時に、観客席からは、津波のような歓声が聞こえて、私を飲み込んだ。



「心空、オッケー！」



友梨のガッツポーズ。



決まった…決まったんだ！！



「心空さん、すぐ下がりましょう！ここしっかりディフェンスです！」



瑞穂が嬉しさでいっぱいになっていた私に声をかけた。

そうだ。

これで安心しちゃいけない。



私はすぐにハーフコートまで下がり、ディフェンスに気持ちを切り替えた。