一回戦、二回戦・・・・・・。


私たちは順調に勝ち上がり、とうとう昨年までずっと破れなかったベスト4の壁をやぶり、決勝戦の舞台へと勝ち進んだ。



決勝戦の相手は山城実業高校。

去年優勝したチームだ。


ハーフコートオフェンスを得意としていて、私達とすごく攻め方が似ている。



「ラスト、二対一!」



キャプテンの友梨が、試合前の最後のアップのメニューを告げる。



ドキンドキン・・・・・・



いよいよだ。

友梨の横顔を見る。


短く切られた髪の毛から、ポタポタと汗が落ちていた。



友梨は試合前、ずっと伸ばしてきた髪の毛を切った。

友梨は冗談っぽく言っていた。



「もし髪を切ったことで県大会勝つことが出来たら、次は坊主にしなきゃ」って。



「ねえ、友梨」



「何?」



「この試合勝ったら、私が坊主にするよ」



友梨はビックリするように目を見開いて、そしてにっこり笑った。



「・・・・・・心空をバスケ部に誘って良かった」



私と友梨は、緊迫した試合前だと言うのに、笑いあった。



ビーーーーッ!



体育館にアップ終了のブザーが鳴った。