「宮瀬」



全体でのミーティングが終わった後、黒さんに呼び止められた。



「明日からの試合。お前はどんな気持ちで挑むんだ?」



「どんな気持ち・・・で?」



私は首を捻った。



「少し難しかったか」



黒さんはボリボリと頭をかき、「じゃあ」と言って言葉を続けた。



「誰の為に勝ちたい?これなら分かるか?」



「はい」



私は頷いた。

それはもう心の中にがっちりと位置づいていたから。



「3人います。まずは、バスケ部に誘ってくれた友梨のため。友梨の勝ちたいって気持ちに力になりたい。そして愛都のため。愛都は私に付き合っていつも一緒に自主練をしてくれた。そして最後に・・・・・・」