「はい」



私は振り向き、奏大さんと向き合った。


私より先に歩いていた友梨と愛都も歩みを止め振り向いた。



「最後に一つだけ」



そう言って奏大さんは優しく笑った。



「どうして、光明がもう一度バスケをやろうと思ったか。それだけ聞いて」



「・・・・・・はい」



「光明言ってたんだ。心空ちゃん見て、バスケが楽しくて楽しくて仕方なかった自分を思い出したって」



「私・・・を、見て?」



「そう。だから、心空ちゃんは光明よりも、もっともっとバスケ楽しんで」



私が内野コーチを変えたの?




晴れなかった心が少しずつスーッと楽になっていった。


内野コーチは確かにいなくなった・・・でも・・・どこにいたって、バスケを続けているかぎりは、内野コーチは私の傍にいるんだ。


そして内野コーチの心の中にもきっと私はいる。