「でも俺は、会わないで欲しいって思う」
「どうしてですか?」
奏大さんの言葉に愛都が返す。
「だって今会っちゃったら、光明がついた嘘が無駄になっちゃうでしょ?」
「あ・・・そうか・・・・・・」
愛都はその言葉を聞くと、さっきと同じようにしゅんと小さくなって俯いた。
「じゃあ、ここじゃないところで練習しようか。ね」
友梨が落ち込んだ空気を吹き飛ばすような大きな声を出して、私と愛都の背中をポンポンと優しく叩いた。
私達が荷物を持ってそこを後にしようとした時、
「心空ちゃん!」
私は奏大さんに呼び止められた。