「光明は、みんなが試合に勝とうと懸命に努力しているのを見て、自分が途中で抜けるのが申し訳ないって言ってた。もし、自分がいなくなる本当の理由を話したら、君たちが傷つくんじゃないかって、そう言ったんだ」



「・・・・・・」



愛都は黙って俯いて唇をキュッと結んだ。



「光明は悩んでいたけれど、それを黒さんが説得したんだ。黒さんは光明のこと可愛がってたから・・・もう一回バスケしようとした光明の気持ちを、止めたくなかったんだと思う」



「じゃあ嘘は、内野コーチの私達への優しさだったんですね」



友梨は奏大さんを見つめた。

奏大さんはそれに応えるように大きく一つ頷いた。



「内野コーチは今日はここにくるんですか?もし来るのなら、気にしないでって・・・伝えたいな」



友梨が私を見て「ね?」と言って合づちを求めた。



「うん」



私も友梨の言葉に頷いた。