「俺、今日はここまでにするわ」
「そっか。オッケー」
奏大さんは、仲間にそう告げると私たちの元へ歩み寄ってきた。
「お久しぶりです」
私は奏大さんにペコリと頭を下げた。
「奏大さんも練習ですか?」
友梨が奏大さんを見上げながら質問をした。
「うん。今日は仕事休みだから。君たちは光明に会いに来たの?」
「え!?内野コーチい!?」
奏大さんの言葉に愛都が驚く。
「内野コーチは、仕事で遠くに行ってるんじゃないんですか?」
友梨が眉間にしわを寄せながら奏大さんに詰め寄った。
「あー・・・そっか・・・そうだった・・・・・・」
奏大さんは気まずそうに頭をクシャっとむしりながら、下を向いて考え込んだ。