バスで10分。
そこは運動場や体育館がある施設の中央にあった。
4つのハーフコートがあって、そこではいろいろな人がバスケットを楽しんでいた。
緑色のアスファルトのコートが春の暖かな光に照らされて眩しかった。
「あれ?」
そこで私は見たことのある人を見つけた。
その人は味方からパスを貰うと、豪快にダンクをして仲間から歓声を送られていた。
「うおおお!すげえ!アリウープう!」
それを見ていた愛都は興奮して目をキラキラ輝かせている。
愛都の声に反応したその人は、少しだけ笑って右手をふいっと上げて振った。
「奏大さあん!」
愛都も無邪気にブンブンと手を振り返した。