ギュッ・・・・・・



私は内野コーチに力いっぱい抱きしめられた。


「ありがとな」


内野コーチは私の耳元でそうつぶやくと、静かに体を離した。


「え?」


「いや・・・あー、てか俺に止められてるんじゃまだまだだな。これでみんなに期待されてるんだから笑っちゃうよな」


そう言って内野コーチは私に背を向けた。

そして言葉を続けた。


「心空には一生負けねえ。誰に勝ったって、お前は俺に一生勝てないから・・・だから、さっきみたいにがむしゃらにバスケ続けてくれよ」


「ハハ・・・それは残酷な言葉ですよ、内野コーチ」


私の目からポロポロと涙が零れ落ちる。