だけどその瞬間私の横からニュッと飛び出してきたのは、内野コーチの大きな手だった。




バシン!



ボールが叩かれて地面に落ちた。


真横から飛んできた内野コーチが勢い余って、私の体に接触した。


「っきゃあ!」


ゴールのポールに体がぶつかりそうになり、私は思わず身をギュッと縮めた。


「心空!」


よろめく私を内野コーチが慌てて引き寄せた。




トンッ・・・・・・



私の耳元には内野コーチの胸があった。



改めて実感する。



私は今までずっと、男勝りだなんて思われてたり、思ってたりしたけれど、内野コーチと一緒にいる時は、こんなに小さな女の子だったんだ・・・って。