「俺、もう一度・・・バスケ挑戦することにしたんだ。」


「え・・・それって?」


私は内野コーチの言葉に目を見開いた。


「バスケットボールのプロ選手になるために、トライアルに挑戦するんだ・・・だから」


内野コーチが言葉を詰まらせているのが分かる。

喉の奥にひっかかるような苦しそうな声だった。

そして私に向かって頭を下げた。


「心空の手紙・・・本当に嬉しかった。けど今俺が行きたい場所は」


そう言って内野コーチが頭をあげた瞬間、私は「内野コーチ!」と叫んでいた。



すべてを聞きたくなくてコーチの言葉を自分の言葉で遮った。


そして笑顔でこう言った。



「一対一、しましょう」


"最後"なんて・・・言わないで・・・・・・。