「久しぶりだな。一対一」


内野コーチが私が持っていたボールを取り、オフェンスの位置についた。


「どうした?」


内野コーチが位置につかじに固まっている私に声をかけた。


「本当に、これが最後なんですか?」


私は内野コーチをすがるように見つめ質問した。


「・・・・・・」


内野コーチは私の質問に顔を伏せ、しばらく黙っていたけれど、ふと何かを決心したように顔をあげ、私の正面に歩み寄った。


「心空にだけは本当のこと話すよ」


「本当のこと?」


「俺がここにいられない理由」


内野コーチがまっすぐに私を見下ろし、話しだした。