体育館で、みんなが内野コーチと最後の別れをしているとき、私は一人外のコートで黙々とシュート練習をしていた。


私の様子に気づいたのか、友梨と愛都が外のコートにやってきた。


「ココちゃんいいの?内野コーチと話ししなくて」


愛都がヒョイと私の前に立ち首をかしげ、心配そうな表情で私を覗き込んだ。


「うん、いいの」


「うーん・・・・・・」


愛都は眉間にシワを寄せて、窓ごしに見える内野コーチをジッと見ながら、不機嫌そうな顔でしゃがみ込んだ。


「仕事なら・・・仕方ないもんね」


友梨はそう言ってフウとため息をついて、愛都と同じ方を見つめた。


「うん・・・・・・」


私も友梨の隣で内野コーチを見つめた。