内野コーチと目が合う。

私はペコリと頭を下げて自己紹介した。


「宮瀬心空と言います。明日からよろしくお願いします」


「俺は内野光明。女子部のコーチしてます。よろしく」



ワシワシッツ



「ぅっわ!」


私は頭を両手で押さえて、一歩後ろに下がった。

突然内野コーチに頭を撫でられたのだ。

撫でたことは何度もあるけど、撫でられたのは初めてでビックリしてしまった。


驚く私を見て、内野コーチはニヤリと笑った。


「友梨から聞いたけど、初心者なんだって?」


「はい……」


「だけど、だけど!運動神経はピカイチですから!絶対ものになると思いますよ!」


友梨は私の腕に自分の両手を絡ませ、自信満々に内野コーチに詰め寄った。