「新人大会まであと5日しかないんだぞ。大事な時期にこんなんで時間潰してんじゃねえぞ!必死こいてやってるのかと思えば、居眠り・・・ありえねえよ!」


何も言い返せない私と愛都は、ただ黙って内野コーチの言葉を聞くしかなかった。


内野コーチはそんな私たちを見て、ゆっくりと話し出した。


「愛都・・・お前ガードなんだぞ?お前がいなかったら、みんな困るだろ?お前はチームの要なんだぞ?お前は自分で思っているより、仲間から頼りにされてるんだぞ?」


「・・・・・・はい」


「心空も。一番バスケの経験ないお前が、みんなより少ない練習量で、上手くなれると思ってるのか?お前はやれば伸びる。どんどん出来るようになるんだ」


「・・・・・・はいっ!」


「・・・・・・分かってるならやるぞ。冬休みの間に数学のプリント50枚こなせば補習は終わりなんだろ?残り何枚だ?」


「私は・・・あと19枚です」


「俺っ!!俺は・・・40枚」