バンッ!!


「っぅおっ!!」


突然車のバンを叩く音が聞こえ、内野コーチが驚き、私から体を離した。


「ココちゃんお帰りい!」


車を叩いたのは愛都だった。

私は車の扉を開けた。


「愛都、もしかして待ってたの!?」


私は愛都の髪の毛を、ワシワシと撫でた。


「うん!だってココちゃんが心配だったんだもんっ」


愛都は私の腕を引っ張り、車から私を引きずりだすと、スリスリと私の体にへばりついた。


「じゃ!そういうことなので、内野コーチさようならっ!!」


愛都は内野コーチをギッと睨みつけると、力一杯車の扉を閉めた。


「愛都!?」


愛都は私をそのまま家へと引っ張った。





私たちの横を通り過ぎていく内野コーチの車。


胸がキュンと切なくなる。


まだ、一緒にいたかったな・・・・・・。