「なによ、バカって!!」


私は突然言われた腹立たしい言葉に、愛都に詰め寄った。


「どこがいいのさ、内野コーチなんかあ!」


愛都も負けじと私にかかってきた。


「突然何言ってるの?」


「ココちゃん、最近あいつにベッタリなんだもん!あいつなんて・・・ただの負け犬じゃん!」


「愛都!!!」


愛都を怒鳴りつける声。

愛都はビクっと肩をすくめた。

愛都が振り向いた所にいたのは友梨だった。


「それはいいすぎよ、愛都。分かるでしょ?」


友梨はさっきの声とは反対に、今度は諭すようにゆっくりと愛都に話しかける。


「・・・・・・すいません」


愛都は友梨にペコリと頭を下げ、体育館の中に静かに戻っていった。