「何、いまさら。私は愛都のお姉ちゃんみたいなもんなんだからさ」


愛都は私のその言葉を聞いて、キッと眉を釣り上げ、スポーツタオルを握っていた私の手の手首を、ギッと力強く握った。


「・・・・・・俺にとってココちゃんは、お姉ちゃんじゃない」


「愛・・・都?」


「俺は・・・俺は!」


愛都が何か言おうとしたその時、内野コーチの車が体育館脇に到着した。


「内野コーチだ」


私は愛都から目をそらし、内野コーチの車へ目をやった。


「ココちゃんの、バカっ!!」


その時突然愛都が私の手首をつかんでいた手を振り離した。