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フットワークを終えて熱くなった体を、冬も近づく外の空気で冷やす。


「気持ちいい」


いつもなら縮こまる冷たい空気も、今は最高に気持ちいい。


「ココちゃん」


その時、愛都が私の横からヒョイと顔をのぞかせた。


「はい」


愛都はニッコリ笑いながら、マネージャーが用意してくれた、スポーツドリンクが入ったスクイズボトルを差し出した。


「ありがとう」


私は愛都から、体育館の中の熱気で汗をかいたスクイズボトルを受け取った。

ポンとスクイズボトルの口を開けて、乾いた口の中に一口分のスポーツドリンクを流しいれた。


「おいしい。はい、愛都も」


私は愛都にスクイズボトルを手渡した。