「どうしたんですかぁ」

 目を丸くして、のんきに聞いてくる刑事に、僕は叫ぶ。

「化け物が……!」

 自分の事を棚に上げて言うのもなんだが、それ以外、なんとも表現するのが難しい。

 爆走する土の山も、人の気配を察してか、ようやく盛り上がり続けるのをぴたりとやめた。

「……なんですか……これは?」

 刑事二人が、不思議そうに小山の前まで歩いていくのと反対に、僕は体育倉庫の前まで移動してから、凛花を降ろした。

「判らない……さっき、林を歩いていたら、突然土が盛り上がるように追いかけてきて……」

 少し震えてはいるものの、凛花は気丈に話す。

 刑事は、ヘッピリ腰で、警棒を構えた。

 そして、恐る恐る、棒の先で、土の山をつついたそのとたん!