「どうした……?」

 とうとうバランスを崩して、倒れかけた所を僕は支えた。


 ……軽い。



 吸血鬼には比べようもなかったが、人間にしては、大分軽かった。

 支えるために触れた凛花の身体は、骨がうっすらと浮き出すほど痩せていた。

 それこそ、ちゃんと食事を取っているのだろうか?

 松嶋が知ったら、目をむいて怒りそうだ。

「そんなに走って、どうしたんだ?
 生徒は、自宅待機のはずだ。
 兄さんに会いに来たんだったら、さっきそこで会ったぞ?
 松嶋先生に差し入れしに来たのなら、多分、職員室に……」

「……ち…が……れて」

 息が上がっていて、聞き取れない。

 げほげほと咳き込む背中を軽く叩くと、凛花は叫んだ。