おチビたんとシンナバーは乗り物に残ってもらって、あたしとクリーダはそこに影響が出ない位離れる事にした。

『どの位離れればいいかしらね?』

「そうですね、あそこの木を超えた辺りにしましょうか?」

あそこの木?もしかして遠くに点みたいに見える奴の事ぉーッ!?
木に辿り付いて乗り物の方向を振り返ったけど、乗り物は全く見えなかった。周辺にあった大きな岩らしきものが点として見える位。

『わがまま言ってごめんねー』

「礼には及びません、わたしにも関係ある事ですから
 それじゃ、始めましょう」

あたしとクリーダは向かい合い、そしてニヤッと笑った。それが開始の合図なのは言うまでもない。

よーし、手始めに炎の魔法を速攻で撃ち込んで…うん?
既に目の前に紫にきらめく光が迫っているじゃないか、しかも恐ろしく高速だ。これは今から横に跳ねただけじゃとても避けられそうもない。

『風よッ!』

間一髪!風の力を借りて回避する事が出来た。あぶなぁー!
って、今の光ってプラズマじゃないッ!当たってたら跡形もなく消滅してたぞーーッ!?
クリーダは本気であたしを消そうとしてるんじゃないの!?むしろ願ったり!?これがおチビたんに手を出した罰カァァーーッ!

とにかく、風の力で高速移動しつつ機会を得るのが得策かもねー。

んぅ…次が来るッ!風を…あれ!?

えぇッ!?風が出ない!?ギャァァァァーーーー来たァーーーーッ!!

『ゼェゼェ・・』

円形をしているプラズマを避ける最短距離は斜め下だ、そこに素早く移動すれば何とかなる。
チッ、髪がプラズマに少しかすった。左だけちょっと短くなっちゃったな。
クリーダは最初の位置から全く移動していない、もちろん無傷。それに対してあたしは既に死にそうな目に2回も遭っている。
最低ランクに高ランクが追い詰められてるのか、ランクなんて全然当てにならないね。

あたし…今日ここで死んじゃうかもしれにゃい…。