「ぁ!紅葉ちゃん!」
不意に後ろから龍馬のお姉さんの乙女さんに声を掛けられた。
「こんにちわー!どうしました?」
「こんにち・・・じゃないのよ。龍馬を知らないかしら?」
龍馬・・・龍馬ねぇ・・
「紅葉ちゃんなら知ってるかと思って・・・。」
「大体の見当は付きますけど・・・急用ですか?」
「そういうわけじゃないんだけど・・・龍馬ったらまた薪割りしないのよ!!」
「あはは!じゃぁ、探して言っておきますね。」
「ごめんね。いつも、いつも。」
「いいんですよ!!」
アタシは乙女さんに手を振って歩き出した。
少し小高い丘に向かって。
昔から龍馬と2人で遊びに行った丘。
横には川が流れている。
少し浅いその川では、メダカやオタマジャクシがよく泳いでいた。