気づくと、1限目の授業が終了という合図の予鈴を奏でていた。
「もうこんな時間か…」
携帯のディスプレイ画面を見て溜め息をつく。
どうしよう…?
このまま、葵を置いておく訳にもいかないし…。
《ガチャ……》
急に、屋上のドアが開くと同時に、私達は一斉に振り返った。
そこに居たのは、私と同じクラスメイトの柿崎真弥(かきざき、しんや)だ。
柿崎とは、あまり話はしたことない。…というか柿崎自身、無口な性格の為、話す機会も滅多に無い。
「あ…来宮さん…1限目、欠席してたよね。具合はどう…貧血だって、聞いてたけど」
柿崎は、淡々と表情を崩さずに喋る。
私は、貧血気味で休んでたってことになっていたのか。まぁ、確かに…貧血持ちなのは事実だし、よく具合悪くして保健室に行ってるのはクラスメイトも知っている。
「うん…だいぶ良くなったよ、ありがとう柿崎君、少し外の空気が吸いたくて此処に来たの。」
「そう…それなら良いんだけど。来宮さん、無理しないでね」
全く心配してるような顔には見えないけど…。とは、柿崎君に失礼ね。
「ところで、この人は?」
ジッと、不思議そうに見つめている。
「あ…この子ね、私の両親の知り合いの息子さんで、私の家に居候しているの。家庭の事情でね。多分、来週辺りから此処の学校に通うことになるから、色々教えていたの」
苦しい言い訳をしたが、柿崎は信じてくれるだろうか…。
「ふーん、そうだったんだ。僕は、柿崎真弥よろしくね」
「僕は、月島葵こちらこそ宜しく」
2人は、しっかりと握手を交わしあった。良かった…何とか、疑われずにすんだ。
「そろそろ、授業が始まるよ。来宮さん」
「そうね…」
私達は、屋上から出て廊下へと歩き出した。
「もうこんな時間か…」
携帯のディスプレイ画面を見て溜め息をつく。
どうしよう…?
このまま、葵を置いておく訳にもいかないし…。
《ガチャ……》
急に、屋上のドアが開くと同時に、私達は一斉に振り返った。
そこに居たのは、私と同じクラスメイトの柿崎真弥(かきざき、しんや)だ。
柿崎とは、あまり話はしたことない。…というか柿崎自身、無口な性格の為、話す機会も滅多に無い。
「あ…来宮さん…1限目、欠席してたよね。具合はどう…貧血だって、聞いてたけど」
柿崎は、淡々と表情を崩さずに喋る。
私は、貧血気味で休んでたってことになっていたのか。まぁ、確かに…貧血持ちなのは事実だし、よく具合悪くして保健室に行ってるのはクラスメイトも知っている。
「うん…だいぶ良くなったよ、ありがとう柿崎君、少し外の空気が吸いたくて此処に来たの。」
「そう…それなら良いんだけど。来宮さん、無理しないでね」
全く心配してるような顔には見えないけど…。とは、柿崎君に失礼ね。
「ところで、この人は?」
ジッと、不思議そうに見つめている。
「あ…この子ね、私の両親の知り合いの息子さんで、私の家に居候しているの。家庭の事情でね。多分、来週辺りから此処の学校に通うことになるから、色々教えていたの」
苦しい言い訳をしたが、柿崎は信じてくれるだろうか…。
「ふーん、そうだったんだ。僕は、柿崎真弥よろしくね」
「僕は、月島葵こちらこそ宜しく」
2人は、しっかりと握手を交わしあった。良かった…何とか、疑われずにすんだ。
「そろそろ、授業が始まるよ。来宮さん」
「そうね…」
私達は、屋上から出て廊下へと歩き出した。