仕事の疲れで眠っていた父も、起き出して来て、皆で家族会議となった。

父は、腕組みをして私の話を聞いていた。やっぱり、許してはくれないだろうな…。心の中で、半分は諦めかけていたその時だった。

重い口を開いて、やっと話始める。
「別に良いんじゃないのか?」

「へ?」
何と、マヌケな返事をしてしまった私。
父まで、まさかとは思っていたが…そのまさかである。

「パパは、仕事が忙しくて夜勤で帰りが遅くなる時がある…。夜に、女性2人だけの家は、危ないし、心配だ。それなら、葵君が居てくれた方が、パパは安心して仕事にも行ける。大事なママと咲良に、もしものことがあったら…生きていけない。葵君、宜しく頼むよ」

「任して下さい。僕は2人共、守ってみせます!」

「よし、それが男と言うものだ!」
父は、グイッとお酒を飲むと陽気に笑った。

私と、葵は思わず顔を見合わせて微笑んだ。