「しかも何で
犬抱えてんすか!!?」


今度は子犬を指差した。




中学生なのに金髪なんだなぁー…

と、呑気に目の前の
この男の子を観察していると…



「あ゛?何、見てんだよ!!」


男の子はアタシに再び牙を向けた。



うわぁーお。
不良のようです☆てへ





てへ なんて言ってる場合じゃない!!

アタシは気付いてしまった!!
神崎くんが連れて来たココは
不良たちのアジトである事を。



あちゃー…
アタシ警戒心なさすぎた。



「夢斗(ムト)」


多分この男の子の名前だと思う…



神崎くんがそう呼ぶと、
夢斗くんはアタシを睨んでから
リビングに帰って行ってしまった。




「「こんちわーっす!!碧唯さん!!!」」


リビングから8人程の
厳つい男の人たちが顔を出した。



うぎゃあッ!!!
恐いっちゅーの!!



とっさに神崎くんの
制服の腰らへんのシャツを握った。



「行こ」


神崎くんは制服を握った
アタシの手を掴んだまま
階段を上がり出した。



手!!!手掴まれてる!!