「あーあ、
また負けちゃったね…」
フワッと甘いような匂いがしたと
思ったら神崎くんが隣にいた。
成績順位表を睨むアタシの横に
興味ないような感じで立っている。
「いい気味だと思ってるの?」
「…ふっ、別に。
勉強頑張ったろうにね…」
「そんな心配いらないよ」
アタシだって強がってるって
分かってるけど引くに引けない。
そんな時―
「オィ!!女、碧唯さんに
なんて口の聞き方してんだよ!!!」
怒鳴るような声が聞こえて
ビクッとしたけどゆっくり
振り向くとそこには10人程の
見るからに不良たちがいた。
その中にウチのクラスの人もいた。
もちろん林田君もいた。
「チッ!!成績が負けたからって
碧唯さんにお前みたいのが
いちゃもんつけんじゃねーよ!!!」
…は?
お前みたいの?
いちゃもん?
アタシが何でアンタみたいな
金髪眉なし野郎に“お前”
呼ばわりされなきゃなんないの!?
アタシがいついちゃもんつけたの?!