「はい、カバン」


神崎くんはアタシにカバンを渡した。



「え!?ぁ、アタシの?」



「そーだけど」




神崎くんは欠伸をしながら言った。




「どうして神崎くんが!?」



「まだ寝てると思ってカバン
持って行ってあげたのにいなかった」




ぁ…持ってきてくれたんだ




それなのにアタシ
放置されたと思って
勝手にキレちゃった…



「ありがとう、神崎くん」



「どーいたしまして」



神崎くんは教室を出て行った。





「え!?え!?
やっぱり放置じゃあ~ん…
じゃあ~ん…じゃあ~ん…」

ぶつくさ呟いていると…



「帰んないの?置いてくよ」


神崎くんがまた教室に来た。




「あ!!帰るよ!!!」


アタシも急いで神崎くんの後を追った。