アタシがボーっとしていた時、
「愛子、もう行こう!?
神崎くんに話かけたらヤバいって…」
早苗が耳元で神崎くんに
聞こえないように小さな声で言った。
「ヤバい?
ヤバいってどーゆー意味?」
「愛子、本当に知らなかったんだ…
神崎くん…
この高校の頭やってる不良のトップ、
それにこの町でもかなり有名人。
だいたいの人は名前くらいは知ってる」
早苗はまた小さな声で耳打ちした。
教えてくれた情報は
アタシの想像を遥かに
越えるものだった。
不良?
この人がこの学校の頭の不良!?
頭良し
顔良し
「こんな、こんな…
こんな不良がいるかぁぁあ!!!」
気付いた時にはアタシは叫んでいた。