――その日は夏休みを迎えて
少したったくらいの日の夜で
いつもより少し涼しかった。
無料体験の夏期講習に早苗を無理やり誘って行った帰りで、早苗と分かれて1人で夜道を歩いていた。
やっぱり夜は怖いな。
そう思うと足は次第に早歩きに…
だけど、それが悪かったのかな。
アタシは道をすれ違う時に
男の人にぶつかってしまった。
「ぎゃッ!!!」
「って~」
男の人は顔を歪めていて
その姿からぶつかった衝撃が
大きかった事が分かる。
「ご、ごめんなさい!!!」
急いで頭を下げて謝るが、
「ねぇキミ!!
謝るくらいで済むわけないの分かる?」
男の人は笑顔で聞いてくるが
目は全く笑っていない。
「本当にすみません!!」
謝るくらいしかアタシには出来ない。
そんな時、
「なに、なに~?」
「女の子?高校生じゃん♪」
3人の男の人がアタシが
ぶつかった男の人の後ろから現れた。