それからは特に何もなく過ぎて行って
アタシも安心してたんだけど…


帰りのHRが始まる前
まだ教室が休み時間のように
ザワザワしていた時に――





ガシッ!!



「う゛」



襟元を後ろから掴まれた。




「おぃ、お前…
後で俺らの溜まり場来いよ」



きたぁ~…



このタイミングで来るとは
思ってもなかったわ。




「あの今日は勉強があるんですが…」



「あぁ?来なかったら
分かってんだろーなぁ!?」



「じゅ、重々承知しております。
是非とも行かせて頂きたい!!」




「チッ!!最初から素直に言えよ」



舌打ちされた…





てか何様なんだよ、アイツは!!!




「功夜に目つけられちゃったね」


軽く笑いながら小さな声で神崎くんが
アタシの横を通り過ぎながら言った。



「なら助けてよ…」


神崎くんはもういないけど
アタシには言わずにはいられなかった。