―――
「じゃあ、ここらへんで大丈夫だよ!
わざわざ送ってくれてありがとう」
「うん」
神崎くんに家に近い所まで
送ってもらった。
前も送ってもらった時の
所なんだけど…
「神崎くん!ライバルとして
アタシ神崎くんに負けないよ!!」
「…うん、またね」
神崎くんは背を向けて歩き出した。
しばらく神崎くんの背中を
眺めてから家に入る。
「遅いよ!!愛子」
「ごめん、お母さん!!
メール入れとくべきだった」
玄関にお母さんが出て来る。
「ご飯食べて来たんでしょ?」
「うん!!お風呂入ってくるね」
アタシの家は見ての通りの
自由奔放な家庭であって…
あまり遅い帰りでも
とがめられる事はなくて…
お母さんの性格からなる
アタシの家特有の雰囲気。