「…スイマセンでした。馬鹿みたいですよね。私。もう平気ですから。帰ります」

「おい。誰なんだよ。お前にあんなコトしたヤツ。そいつらの方が馬鹿だ」

今まで見た先輩の顔じゃない。

すごい剣幕。

「…言えません。だってその人達は先輩のコトがスキで…」

「関係ねぇよ。俺は…今俺はお前しか見れねぇから」

「…」

俯く私に先輩は続ける。

「初めて会ったトキから、何か気になってた。地味だって笑ってたのに、俺が変えてやらなくても…お前は変わった」

変わった…変われたんだ。私。

「初めて生徒会室に呼び出したトキ、いきなり手ぇ出して悪かった。最低だって思われて当然だし」

でも…

と言う先輩。

「…帰りませんか?一緒に」

自分で言って驚いた。

何言ってんの自分。

あんなヤツって思ってたじゃん。

馬鹿じゃん。自分。