「飯塚奈瑠って誰?」

ざわつく教室。

胸ポケットの刺繍が赤だから…3年生らしい。

この学校は胸ポケットの刺繍の色で学年を分ける。

赤が3年生
緑が2年生
青が1年生。

私、先輩に呼び出しされるようなコトした覚えがないのに…

「…私です」

「急にゴメンね。ちょっといいかな」

「わかりました」

心臓がやけにうるさい。

何が今から起こるのか全くわからないからすごく怖い。

放課後の校舎は人も多く、私は警察に連行されている犯人のような気分だった。

最初私を呼ぶトキは先輩は1人だったのに、今校舎裏では4人に増えている。

「ココでいっかぁ」

名前も知らない先輩の合図で他の3人の目の色が変わった。