あれから早1ヶ月。

暑い夏休みも過ぎ、後期の学級委員選び。

「…今回は誰もいないの?」

私は下を向き、先生から目をそらす。

「なら…生徒会に入りたい人はいない?」

ざわつく教室。

「学級委員は生徒会活動にも参加出来るのよ」

「んじゃ俺やる!!美夜里(ミヨリ)っ俺について来い」

ドッと笑いに包まれた。

「大地がするならしてあげる♪」

大地くんと美夜里ちゃんは公認のカップルだ。

うらやましいなぁ。

微笑ましい2人を見るのが悲しくなって、ふいに窓の外を見た。

外では体育をしているみたい。

「…あっ」

先輩だ。

周りからは黄色い声援が飛び交っている。

サッカーをしているらしく、白と黒のサッカーボールが時折宙を舞う。

ピーっ

笛が鳴り、試合が終わったようだ。

キャーっ彼方くん!!

この様子だと、勝ったみたい。

フッと口元が緩んだ。

遠くから見てもかっこいい。

やっぱりモテるだけのコトはある。

改めて先輩のすごさを知った。