「どこが地味なの?私、まだ地味?私こそ仲村くん見損なった」

「…飯塚」

仲村くんは少し肩を落とした。

「もういいだろ。見損なったんだろ?仲村、奈瑠のコト。ならあっち行けよ」

「何で俺は飯塚でてめぇは奈瑠なんだよ」

キッと先輩を睨み付ける仲村くん。

「スキな仔にはアタックしなきゃね」

フッと先輩が笑う。

「学級委員が今日で終わってよかったよ。じゃなきゃ俺…」

「仲村くん…ありがと。今まで。ホントはずっとスキだった」

今頃遅いって。

顔を背けた仲村くんの目に、涙が光る。

「仲村く…」

手を前に伸ばし、『もう言うな』とでも言うように、私の前に出す。

「俺は飯塚がスキだった。ホントゴメン」

「スキ過ぎたんだろ。奈瑠のコト。奈瑠?お前、幸せ者じゃね?」

いきなり会話に入る先輩。

「…ですかね?」