「…ありがとうございました。家、ココなんで」

肩に回されていた腕をほどこうとしたそのトキ。

ギュッ

「お前がスキだ」

とくん。

顔が赤くなる。

「…先輩。私、先輩のコト大嫌いでした。変態で、俺様で、自分勝手で。でも実は優しい一面もある。そのくせ普段はバカみたいに真面目な青年気取り」

「奈瑠」

「まだ話、終わってないです。素の自分がイヤだから隠すんですか?だから変な壁作るんですか?」

私の素。

前は地味というレッテルを貼られ、その枠内でしか自分がいなかった。

でも今は、素でいられる。

自然体でみんなが受け入れてくれるから。