最後の生徒会室での集まり。

「後で飯塚さんは俺のトコ来て」

「えっ…はい」

最後の最後で呼び出し。

最悪。

「んじゃ飯塚。先帰ってっから」

「じゃあね!」

あーあ。

早く帰りたかったのに。



「奈瑠。返事聞かせて」

2人だけの生徒会室に響くあの人の声。

私は…仲村くんがスキだから。

断らなきゃ。

そのトキ。

バンっ

電気が消えた。

「えっウソ!やだやだやだ!怖い…」

ふわっとシトラスの香りがした。

その瞬間。

私はあの人の腕に包まれていた。

「平気だから。俺がついてる」

あまりに怖くて泣き出した私をなだめるように言った。

私の意識が遠のくのもそれと同時だった。