でもトキは楽しいコトがある程早く過ぎる。

寒い冬を2人で過ごし、待ち遠しい春がもうすぐそこまで来ている。

「先輩、第2ボタンくれますか?っいや、ください!!」

いつもより真剣に俺を見つめる奈瑠。

いつもは穏やかな眼差しで俺を見る奈瑠だけど、今の奈瑠は、少し寂しさが見え隠れしている。

寂しいのはお前だけじゃねぇって。

ひっつき虫が来たトキ誰がお前を守ってやんだよ。

俺だろ?

奈瑠と同い年だったら…何度そう思ったか。

でも、奈瑠と同い年だったらきっと俺は奈瑠に恋しなかった。

あのトキ出逢ったいたから奈瑠をスキになれた。

奈瑠もそんな風に思ってくれてるのかな。

奈瑠、ずっとスキだかんな。