放課後だから少し人気が無くて、下校途中の生徒がちらほら見える。

「…俺、スキなヤツと絶対ココに来てやるって決めてたんだ。まあ、俺はいなかったんだよ。今まで本気になれたヤツ」

俺と付き合うのは顔目当て。

俺の性格を知ったとたん、逃げてくんだぜ。

俺は顔で生きてねぇっつうの。

俺、初めて一目惚れってヤツしたんだよ。

「お前にな?」

不覚にもドキッとした。

「お前が俺のコト、どう思っていようが関係ねぇ。悪りぃケドな。だってお前、俺の初恋相手だから」

先輩が…

「初恋~!?ホントなんですか?私に?初恋?」

「おまっちょっと調子乗りすぎ。いい加減にしろよ」

「だって、先輩が…初恋っんぐっ」

口を手で塞がれた。

く…苦しい。

「奈瑠。よく聞け。真面目にな?」

「はい…」

少し涙目で答える。